モルモットの知識 基本のお世話

モルモット多頭飼いはできるの?オス同士、メス同士どちらを選ぶべき?

多頭飼いとは二匹以上のモルモットを飼育している状態のことをいいます。

海外では、モルモットがペットとして人気があることや、家の敷地が広くモルモット用のスペースを広くとれることなどから三匹以上の多頭飼いも珍しくはありません。反対に日本では一匹だけの単独飼育をする人が多いイメージがあります。

最近のモルカーブームで話題になっているものの、日本ではまだペットとしてそこまで知名度のないモルモット。モルモットを多頭飼いしている人も多くなく情報もあまり無いのが現状です。

特にオス同士の多頭飼いは一般的に難しいとされていて、同じケージで飼育するためにはちゃんとしたステップを踏まなければなりません。

そんなモルモットの多頭飼いについて、実際にオスのモルモット二匹と暮らす私自身の体験談も踏まえて書いていきたいと思います!

モルモットは群れで生きる動物

元来モルモットは群れで生きる動物で、仲間たちとコミュニケーションをとって生活しています。そのため一匹だけで飼うと寂しくてストレスを感じてしまうとも言われており、実際にスイスではモルモットの単独飼育が禁止されています。

モルモットは飼育環境に敏感な動物で、環境の変化やストレスによって体調を崩してしまうことがあります。海外での多頭飼育が多いのは、そういった理由からモルモットに負荷をかけないためのものと言えるでしょう。

とは言っても日本の生活スタイルでは、何匹も飼育するというのは中々難しいところがあります。
単独飼育の場合、モルモットは一緒に暮らす飼い主や家族を群れの仲間だと認識するので、飼い主が愛情をかけてお世話してあげることでモルモットは安心して生活できます。
飼い主がしっかりとコミュニケーションをとってあげれば、単独飼育でも必ずしもモルモットが寂しいというわけではありません。

また、飼い主との距離が近い単独飼育の方が、モルモットがベタ慣れしてくれるとも言われています。
モルモットは愛情深い動物なので、信頼した相手には手を舐めたり甘噛みしたりと愛情表現もしてくれます。モルモットが寂しくないかどうかは、飼い主との日頃の関係で決まります。

多頭飼いのメリット、デメリットは?

メリット

モルモットが寂しくない

単独飼育の場合は、仕事や飼い主の都合でモルモットにお留守番してもらうことも少なくありません。
ずっと一匹で家でじっとしているよりは、コミュニケーションがとれる存在がいることはモルモットにとってプラスのはずです。

相手を意識することでモルモットにとって良い意味で刺激にもなります。我が家の場合は、最初に飼っていたアビシニアンの子が少食で体重がなかなか増えないことに悩んでいたのですが、もう一匹と一緒に暮らすようになってからは二匹で競うようにガツガツ食べるようになりました。

モルモット同士のコミュニケーションが見られる

モルモット同士が鼻をクンクンしあったり、一緒に部屋んぽして遊んでいる姿はとても可愛いです。
それぞれに個性があるのでその違いもまた面白いです。

比べる対象がいるので健康管理がしやすい

多頭飼いの場合は比べられる対象がいるので、モルモットの体調や行動の変化に気付きやすいです。

例えば、二匹ともえさを食べなければえさに問題があり、一匹だけ食べないようであればそのモルモットに何か問題があることが分かります。(この場合は単純にえさの好き嫌いの可能性もありますが、、)

デメリット

お世話や健康管理が大変になる

お世話はモルモットの数が多ければ多いほど大変です。

二匹程度であれば一匹の時と大して変わらない気がしますが、飼育数が増えれば増えるだけお世話の時間や餌代、病院代もかかります。個体の健康管理も必要なため飼い主の負担は増えます。

喧嘩が起きる

オス同士の多頭飼いは、大きな喧嘩はなくてもしょっちゅう小競り合いをしています。メス同士であっても喧嘩をする時はします。

群れでの暮らしに慣れたモルモットたちであっても、喧嘩が起きたら止められるように飼い主の目が届くところで遊ばせる必要があります。

お金がかかる

二匹目を迎え入れようとした場合、餌代やおやつ代、病院代は単純に倍になります。
それ以外にも新しいケージや給水ボトルなど用意するものはたくさんあります。特に病院代は保険なしでレントゲンをとった場合1万円近くかかることもあります。

多頭飼いは金銭的にも負担があるので、何も考えずにモルモットを増やそうと考えるのはあまりいいことではありません。

多頭飼いはメス同士がいいの?オス同士がいいの?

多頭飼いをすると決めたら、迎え入れるモルモットの性別を決めましょう。

モルモットを増やしたい(モルモットに子供を産ませたい)と思っていないのであれば、今お家にいる子と同じ性別の子を迎え入れます。

オスメスで飼うことも勿論可能ですが、モルモットの繁殖率は高いです。子供が生まれても責任持ってお世話できると断言できないのであれば絶対にやめましょう。

メス同士の場合

メス同士はオス同士に比べ多頭飼育しやすいといわれています。メスの方がお互いを受け入れやすく争いごとも起きにくいため、同じケージでも安全に飼育することができます。

ただし、ケージの大きさは必ず二匹でも十分なスペースを確保し、寝床は別々にする必要があります。メス同士でも喧嘩が全くないわけではなく、ちょっとした喧嘩やマウントの取り合いも起きるためストレスがかからないように配慮が必要です。

メス同士の場合もいきなり新入りを同じケージに入れることはせず、一度別のケージで様子を見てから同じケージに移動させます。

オス同士の場合

モルモットでも、オス同士は他の動物と同じように縄張り争いや群れの中での順位を決める争いが起きます。そしてあまりにもひどい喧嘩になると、相手を怪我させてしまったり、止めようとした飼い主が怪我してしまうこともあります。

オスはメスと違い、相性でかなり多頭飼育の難易度が変わってきます。

オス同士の多頭飼育は必ず手順を踏んで行かなければなりません。いきなり同じケージに突っ込んだ場合、血みどろの喧嘩を始めてしまう可能性があります。

多頭飼いの始め方

オスメス問わず、まず同居させるモルモットをしっかり見定める必要があります。

新しく迎え入れる子に実際に会ってみて、今家にいる子との相性を考えます。その上で多頭飼いを決めたら、必要な物の準備をします。

  • ケージを分けて飼育する場合は、ケージをもう一つ購入する必要があります。同じケージで飼育する場合は現在のケージの倍の大きさが必要です。
  • 同じケージ内で生活するのであれば、寝床はそれぞれ個別に作ってあげる必要があります。落ち着ける自分だけのスペースを確保してあげます。
  • 給水ボトル、ペレット・チモシー入れはそれぞれに用意します。一緒にしてしまうと餌をどのくらい食べたかの管理ができなくなってしまうので、別々にするのをお勧めします。
  • 必要であればペレット、チモシー、ペットシーツなどのストックも準備します。

メスの多頭飼いの始め方

数日は別々のケージで飼育

新しく迎え入れたモルモットと先住のモルモットを別のケージで飼い始めます。

新しいモルモットには家に慣れてもらい、先住のモルモットには新しいモルモットをケージ越しに見せて反応を観察します。そのまま数日は別々のケージで生活し、お互いが慣れてくれるのを待ちます。

ある程度日数が経ちお互いが落ち着いた様子だったら、広めのスペースで対面させます。興奮状態になると思いますが、鼻のにおいを嗅いだりお尻のにおいを嗅ぐといった仕草は通常です。

先住モルが新入りを追いかけ回すかもしれませんが、喧嘩を始めない限りは見守っていて大丈夫です。慣れてきたら一緒に野菜などを食べさせます。

初めての対面が終わったら、また別のケージに戻します。これを数日繰り返し、問題ないようであれば同じケージでの飼育を始めます。

新入りモルの方が興味津々で先住モルにちょっかいを出しすぎてしまう場合もありますので、先住モルがストレスで疲れていたり気が立っていないかも気にしてあげる必要があります。

オスの多頭飼いの始め方

年齢や性格を考える

モルモットのオスには上下関係があり、オス同士が同じ空間にいると、どちらが上に立つのか順位を決めようとします。その争いがヒートアップすると怪我をするほどの喧嘩になってしまいます。

モルモットを飼い始める時と同様に、多頭飼いも子供のうちから始めた方が順応性が高いです。もし大人になってからもう1匹を迎え入れる場合は、一般的に年齢が離れていた方がいいと言われています。

先住モルが大人の場合は、迎え入れるのは生後4ヶ月以下程度の子供がいいです。その方が上下関係が決めやすく、まだ子供のモルモットは優位に立とうとは考えないため争いも起こりません。(例外はあります)

もう大人でかつ同い年のモルモットで多頭飼いを始める場合は、現在飼っているモルモットの性格に相性のいいモルモットを探す必要があります。

我が家で多頭飼いを始めた時は、二匹が共に生後6ヶ月の時でした。もう大人になってしまってからの出会いだったので、相性や喧嘩に関してはかなり心配でした。

後から迎え入れた子は保護モルモットなのですが、保護してくださった方にオスのモルモットを飼育していることを相談し、特別に2週間のトライアル期間を組んでもらいました。

結果的に今の関係は有効ですが、新しい子が家に来てから一ヶ月くらいは二匹とも顔を合わせる度にマウント取り合っていました。(これに関してはオスのモルモットのコミュニケーションとしては通常です)

オス同士が出会った時の一般的な反応

  • ゴロゴロ鳴く
  • マウンティング(馬乗りになる)
  • 歯ぎしり
  • 相手を追いかける
  • 相手のにおいを嗅ぐ

これらの反応はオス同士が同じ空間にいる時に行う行動です。
上下関係を決めるための通常の反応なので、監視しておくことは必要ですが止める必要はありません。

大抵は上に立とうとするオスが相手にしつこく行うことが多く、一方が受け入れて立ち向かわないこともあれば反対にやり返すこともあります。どちらかが受け入れるなどしてお互いに落ち着くのを待ちます。

もし続くようであれば、一旦野菜などで気を引く方法もあります。

注意した方がいい行動

  • 噛み付く(前歯アタックする)
  • 引っ掻く
  • 突撃する
  • 毛を噛んでむしる

これらの行動は注意して観察する必要があります。
マウンティングで力関係がはっきりしなかった場合、喧嘩になってしまう可能性があります。モルモットの本気の喧嘩は血が出るほどの怪我を負わせてしまいます。

モルモットといえども力はかなり強いです。
喧嘩になってしまったモルモットたちを止める際は飼い主も気をつけなければいけません。

オス同士が一緒に暮らすためのステップ

  1. メスの多頭飼いと同じように、別々の場所ケージで飼い始めます。
  2. 数日様子をみた後、広いスペースで対面します。
  3. においを嗅いだり追いかけ回したりとマウンティング行動が見られるので落ち着くまで待ちます。(喧嘩に発展するおそれがあるため目を離さないようにしてください)
  4. 慣れるまでは寝床は別々にし、対面する時間を増やしていきます。
  5. モルモットの中で関係性ができ同じケージで生活できるようになります。

どうしても喧嘩に発展してしまう場合は相性が合わない可能性もあるので、別々のケージで飼育し部屋んぽの時間も分けるなど、二匹が鉢合わせない環境をつくることが必要かもしれません。

多頭飼いの場合は突然仲が悪くなってしまうこともあり得るので、そうなると別居させてお互いを離して生活させなければなりません。
それほどにオスの多頭飼い、特に同じケージで生活させるのは難しいです。

多頭飼い実体験

我が家では二匹がお互い6ヶ月の頃に一緒に飼育を始めました。
新入りモルを一畳ほどのケージに入れて、先住モルは放し飼いスタイルで飼育し始めたのですが、先住が新入りのケージに入りたいと暴れて大変でした。

新入りモルが家にきて数日後にケージを解放し二匹を対面させたところ、通常の反応通りお互いのにおいを嗅いだり追い回したりを始めました。

新入りモルがかなり警戒していたので数週間は全く別々のケージで生活していましたが、部屋んぽができるようになったタイミングで同じケージに移しました。その頃にはいつのまにかお互い追いかけ回すようなマウンティングをとることもなくなっていました。
近くに寄るとゴロゴロと鳴いて威嚇するような行為はしょっちゅうあることなので問題ではありません。

二匹はどちらが上位なのかと聞かれると、なかなか答えるのに難しい力関係に見えます。
普段は新入りモルが威嚇して先住モルを寝床や餌場から追い出しているのを目撃することが多いですが、先住も新入りを威嚇するし、アグレッシブな日は馬乗りになろうともします。

ただ噛み付いたり引っ掻いたりする喧嘩はなく、一緒のタオルで寝ていることもあります。べったりしているのは見たことがないのですごく仲がいいというわけではないですが、ちょうど良い距離感とバランスで生活しているようです。不思議な関係です、、。

モルモットのオスは群れの中でも上下関係の逆転がよくあるらしいので、二匹の中でも立場が変わったりしているのかもしれません。

我が家のケージは少し特殊で押入れの下段部分を丸々彼らの部屋にしています。

お互い自由に行き来できるものの、ケージ自体は半分で区切られているので1日の大半は別々のスペースにいます。その空間のおかげであまり相手を意識せずにいい距離感でいられるのかもしれません。

まとめ:モルモットの多頭飼いはできるの?

モルモットの多頭飼いはできますが、オス同士の多頭飼いは注意が必要です。相性を考えて迎え入れてもうまく行かない可能性も十分あるため、もしそうなってしまった時に別々に飼うということも選択肢に入れる必要があります

私が二匹めを迎え入れるときも、もし先住の子と相性が合わなかったらお互い別々にして飼育して行かなければならないことも覚悟しました。
せっかくモルモット同士のコミュニケーションが見たかったのに、、、と後悔しないためにも、多頭飼いの選択は慎重にしなければなりません。

でもモルモットたちが一緒に遊んだり、連なって歩いていたりするのを見るのは多頭飼いならではの楽しさです。

性格の違いや食べ物の好き嫌いも違って、それぞれに良いところもあれば悪いところもありさらに愛おしくなります。二匹一緒にポッポコーンジャンプをしている時は可愛くてしょうがないです、、。モルモット多頭飼いおすすめです。

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