物の生理や月経に関して、人間によく似てると言われるのが雌の犬です。雌の犬から生理のような出血がある時は、発情サイクルが起こっているということになります。
では雌のモルモットはどうでしょうか?
今回は少しデリケートな話題ですが、モルモットに生理(月経周期)があるのかについて調べてみました。
モルモットに生理(月経周期)はない!?
結論、モルモットには生理はありません。
モルモットには発情期がありますが、生理と発情期の2つの周期は全く違うもので、モルモットは発情期に出血することはありません。
モルモットの飼い主さんの中には、モルモットが生理のような出血しているのを見たという方もいますが、この出血は肛門からの出血であり必ずしも膣からの出血ではありません。
では月経のないモルモットが出血する理由は何でしょうか。
モルモットの出血 考えられる原因とは?
犬のように特定の動物は性器からの出血があっても心配する必要がないですが、モルモットは出血がない動物であるため出血がある場合はすぐに病院にいく必要があります。
モルモットが出血する理由は以下の通りです。
尿路感染症
出血の原因として最も多いのは尿路感染症です。
尿路の感染症には膀胱の炎症(膀胱炎)が含まれており、膀胱炎になると血が尿に混じることがあります。その場合モルモットが排尿しようとした時に血が出ることもありますが、排尿しようとしていなくても性器から血が垂れてくることもあります。このため月経と間違えやすいとも言われます。
この症状がみられたらすぐに病院に連れて行く必要があります。モルモットの尿検査は非常に簡単で、尿路感染症や出血を引き起こす感染症にかかっているかどうかがすぐにわかります。これらの症状に気づいた場合は、すぐに病院に行きしっかりと治療することが非常に重要です。
腫瘍
あまり一般的ではありませんが、モルモットの体内や尿路に腫瘍ができることも出血の原因となります。悪性でも良性でも、がん化した腫瘍は非常に危険であり、ほとんどの場合出血の原因となります。この種の腫瘍からの出血は、尿路感染症の場合と同じで月経と勘違いしやすいものです。
出血が見られる場合、腫瘍はおそらく尿路内のどこかにあるので出てくる血は濃い赤色をしています。濃い色の血は常に体の内側から出てくるもので、薄い色の血は体の外側に近いところから出てきます。
腫瘍は手術で切除することができるので、取り除くかどうかは獣医さんの判断に委ねられます。良性の腫瘍は薬で症状を最小限に抑えることができる場合もありますが、悪性腫瘍は危険なためすぐに手術が必要です。
腫瘍があるかどうかは、病院でMRI、超音波、その他必要な分析をする必要があります。
パイオメトラ
子宮蓄膿症とは、ホルモンの分泌が関与し子宮の中に過剰な量の膿が溜まるってしまうことです。ほとんどすべての哺乳類がこの症状に見舞われる可能性があり、一般的に犬と猫の病気としてよく聞くかもしれません。子宮内の膿は重篤な感染症の副産物であり、抗生物質で治癒することはほとんどありません。
一番の解決策は避妊手術をすることと言われています。モルモットも同じで、避妊手術をしたモルモットには子宮蓄膿症になるリスクはありません。ただし手術自体がモルモットの負担になってしまうこともありますので、病気以外での避妊手術は推奨されていないこともあります。
尿石
尿石症とは、過剰なミネラル分が微細な結晶となりさらに結石となってしまう病気です。
出血は尿路から直接起こるため、尿石症になったモルモットは排尿困難に陥ります。鉱物の小さな粒子が尿路を通り壁に傷をつけるため、排尿時に痛みを感じ出血してしまうのです。ただしすぐに病院に行けば解決できる症状です。大きすぎて尿路を通れない結石を取り除く手術を行います。
尿石症はモルモットの食事に含まれるカルシウムを減らしたり、新鮮な水を与えたりすることで予防することができます。
モルモットの去勢手術は出血防止になるのか?
モルモットが子宮の感染症にかかったり、なんらかの病気を発症した場合は去勢手術を行うことが一番の解決策となることが多いです。ただし、モルモットの体は小さく麻酔の影響も受けやすいため、術後に体力が回復できないこともあります。犬や猫と違い、病気がみつからない限り予防としての去勢手術は推奨されていません。
尿路からの出血は、去勢手術で防ぐことはできません。出血を防ぐ一番の方法は、モルモットにミネラルの入っていない新鮮な水を与えることです。繊維質の多い食物はそれ自体が多くの水分を含んでいるので、繊維質の多い食べ物を与えることも効果的です。
まとめ:モルモットに生理(月経周期)はあるのか!?
モルモットには月経はありませんが、モルモットの飼い主が月経と間違えるような出血の症状が出ることがあります。モルモットが肛門や生殖器のどちらかから出血していたら、すぐに動物病院を受診してください。
特にメスのモルモットは子宮の病気にかかりやすく、病気の症状によっては子宮の摘出も必要になります。日頃から体調管理し、的確な治療を受けさせてあげられるようにしましょう。