今回はモルモットのオス特有の、臭腺の汚れとお手入れについてです。
臭腺は発情期に強いニオイとどろっとした分泌液を出すところで、オスのモルモットはこの分泌液が毛に絡まり臭腺のまわりがベタベタになってしまいます。
臭腺の汚れは放っておくと毛がガチガチに固まり、場合によっては皮膚に炎症が起きてしまうこともあります。
そんな臭腺のお手入れの方法と、日本ではあまり馴染みのないポケットクリーニングについて解説していきます。
モルモットの臭腺とは
モルモットのお尻にある発情期に独特なニオイを発生させる腺です。
臭腺から出すのはニオイだけでなく、粘着性の白濁色の液を分泌します。
この分泌液は発情期以外にもマーキングのために使われるもので、液体というよりは個体に近くしばらくするとカチカチに固まってしまうのが特徴です。
モルモットはこの分泌した物質を自分で食べたりタオルなどにこすりつけたりすることが多いのですが、お尻についた分泌液は毛を巻き込んで固まってしまうため、オスは臭腺の周りが汚れてしまっていることが多いです。
メスでも発情期にニオイの強い子はいますが、比較的にオスの方がニオイも強く分泌液の量も多いと言われています。ただしオスの中でも分泌する量の多さや頻度は個体によって様々です。
臭腺はどこにあるの?
モルモットの臭腺は尾骨のすぐ上か、尻尾がある(べき)部分にあります。モルモットのお尻を触ってみると少し出っ張っているところがあり、臭腺はその辺りにあります。
かもめは周りの毛が固まってしまっているため臭腺自体は見えないのですが、ちょうど○で囲ったあたりにあります。
臭腺の汚れ
写真を見るとわかる通り、臭腺の周りの毛はヘアワックスをつけたように湿り気があってベタベタしています。
毛がガチガチに固まってしまっているところは、もう水をつけたりするだけでは拭き取ることは不可能です。
分泌液の量が多い個体ではどうしてもお尻の汚れはつきものなので、定期的にお手入れしてあげる必要があります。特に長毛種の場合はお尻の毛も長く汚れやすいです。
臭腺のお手入れ方法
①固まった毛をカット
固まってしまった毛は洗っても綺麗にすることが難しいので、先にカットしてしまいます。
モルモットをテーブルやソファの上に腹這いにさせ、お尻が自分の目の前にくるようにして少しずつ毛をカットします。普通のハサミよりも眉毛用の小さいハサミを使うとカットしやすく安心です。
モルモットが暴れてしまう場合はタオルなどで包んで動かないようにします。
この作業は飼い主もモルモットも慣れていないとなかなか難しいので、無理せず二人体制でやることをお勧めします。一人がモルモットの体をおさえ、もう一人がカットすると安全です。
モルモットを強く押し付けないように注意して行います。
②ココナッツオイルで固まった毛と臭腺をほぐす
ある程度の毛がカットできたらココナッツオイルを少量指に取り、臭腺の周りの汚れをほぐすように塗り込んでいきます。
ココナッツオイルで固まった毛をほぐし、臭腺の汚れを取り除きます。臭腺の中までグリグリ掃除する必要はなく、マッサージのように優しく塗り込んでいくとポロポロと汚れが落ちてきます。
ココナッツオイルをモルモットが食べても安全という保証はないので、舐めてしまったり口に入ることがないように注意が必要です。動物用のココナッツオイルは楽天市場などで検索すると出てきます。
③モルモット用シャンプーでお尻を洗う
最後にモルモット用のシャンプーでお尻を洗い流します。
洗面所や洗面器にお尻が浸かる程度のぬるま湯をはり、片方の手でモルモットをかかえ、もう一方の手でお尻を優しく洗い流します。ココナッツオイルが流せたら、最後にタオルで水気を拭き取りドライヤーで乾かします。タオルでゴシゴシ擦らないように注意しましょう。
これでモルモットの臭腺のお掃除ができます。ただし、臭腺の汚れはしぶといので全て綺麗に洗いきるのは難しいです。ある程度の汚れはオスのモルモットならしょうがないと割り切って気にしないで大丈夫です。
オスのモルモットのポケットクリーニングって?
ポケットクリーニングは日本では馴染みがなく、モルモットのお手入れとしてもあまり聞いたことはありません。ただ海外ではモルモットのお手入れとしては知られていて、アメリカのYoutuberがよく動画で紹介しています。
”ポケット”とはオスの生殖器と肛門のところにあるポケットのようなくぼみのことをさし、オスの場合この中にチモシーのかけらや毛が入り込んで汚れが溜まってしまいます。
ぱっと見だとポケットがあるのかさえわかりませんが、生殖器の下を指で開くと意外にゴミがあるのがわかります。
二匹とも1歳で今回初めてポケットを掃除したのですが、綿棒でちょっと掃除するぐらいの量の汚れでした。これも個体差があるかと思いますが、ひどく汚れている子だとピンポン球くらいの量が取れることがあるのだとか、、。
ポケットクリーニングの方法は?
生殖器の下部分を指でぐいっと広げるとポケットの中を見ることができます。抜けた毛が入り込んで毛束になっていたり、分泌液が周りに付着していることが多いです。
お手入れに特に必要なものはなく綿棒で少しずつ掻き出してあげます。汚れが取りにくければ、綿棒を少し濡らすと絡め取りやすくなります。
あまり力を入れないように注意が必要です。モルモットによってはかなり嫌がる可能性があるので、様子を見ながら暴れないように抑えつつ手早く掃除します。
クリーニングの頻度は?
モルモットが自分で舐めてお手入れしていることもあるので、基本的にそんなにこまめに掃除する必要はありません。
定期的な健康チェックの時に一緒に見てあげて、汚れて入れば掃除するぐらいで構いません。
もしまだ一度もポケットの中を見たことがない飼い主さんがいたら、一度モルモットのポケットをチェックしてみるといいでしょう。
見た目にはわからないですが、意外にごっそり汚れが溜まっている可能性があります。
まとめ:オスのモルモットの臭腺の汚れとポケットクリーニング
モルモットの体で一番汚れやすいのが、臭腺のあるお尻と生殖器(肛門)のあたりです。汚れやすいということはニオイやすいということでもあり、汚れが溜まっているとニオイもきつくなってしまいます。
日々の健康チェックとともに汚れやすい部分のお手入れもしてあげると、モルモットも飼い主も気持ちよく過ごすことができます。特に蒸し暑くなってくる夏の前に一度飼っているモルモットのお掃除をしてあげるといいかもしれません。